瞳の先にあるもの 第32話

 ラガンダの計らいで、ランバルコーヤ流のもてなしは一般兵にも施された。その中にはラヴェラ派の兵士も混ざっており、数週間を通してよく肩を並べる関係になったようだ。  とはいえ、ランバルコーヤ兵は決して多くない。人数では全体 …

瞳の先にあるもの 第31話

 「にしても奇遇だな。今はランバルコーヤで巡業中か」  「じゃないわよ。お偉いさんに呼ばれたんですって」  「呼ばれることは珍しくないけど。急に?」  「みたい。んま、よくある話よ」  お偉いさんの中に踊りが好きな方がい …

瞳の先にあるもの 第30話

 兵たちの環境への体慣らしと移動手段確保のため、数週間程留まることになった一行。国境の町セングールは海が近く、数百年前から使われている魔力を原動力とする道具のお陰で水には困らない。  ちなみに、それは魔道具と呼ばれる。地 …

瞳の先にあるもの 第29話

 どんちゃん騒ぎが夕方まで続き寝床の確保をしている最中、コラレダ傭兵たちが全員アンブロー側につくとヘイノに伝わる。話を持ってきたのは現在全体統括をしているギルバートである。  「ありがたい話だが。反対はなかったのかね」 …

瞳の先にあるもの 第28話

 闇に紛れて動く暗殺者ですら制限される視界の中、日戦同様の動きで一行を翻弄するニコデムズ。  「人様を足蹴にするたぁ教育なってねえな。思い知らせてやる」  「うわ。ダッサいセリフ」  こめかみに青筋を立てながら、ニコデム …

瞳の先にあるもの 第27話

 情報屋からもたらされた情報を、ヘイノは全体に共有すると、各人の判断で時間を過ごすことになった。日のあるうちなら、結界内にゾンビがやって来ることはないという。  なお、当の将軍は、サイヤの元で腕を治療している。  「あ~ …

瞳の先にあるもの 第26話

 話し終えたヘイノは、一度部屋にこもり不備がないかを確認するために食堂を退出した。というより、もっと具体的なものを提示したい、とのことだった。  指示を受けた一同は、まず長期戦に備えるべく、既に行われていた物資をさらに集 …

瞳の先にあるもの 第25話

 人型をした何かが現れ人々が襲われるという、前代未聞の事件が発生したノアゼニア。王都を敵の手から取り返した矢先でのことだった。  人の形はしているが、肌は青く浮き出る血管は紫色。遺体独特の腐敗臭がし、腕や足が千切れていて …

瞳の先にあるもの 第24話

 アマンダたちが弓兵軍と合流するために離脱した後、  「おやー、君は行かないのかい」  「魔法使えるやつがいたほーが便利だろ」  「あー、助かるよー」  と、まるで知っているかのような口ぶりで話すギルバート。情報屋は思わ …

瞳の先にあるもの 第23話

 国王の護衛と負傷者介護のため、近衛兵は引き続き離宮の森に待機することになった。ヘイノはアマンダたちと合流し森沿いへと馬を進め、街道へと急ぐ。  「あの姉ちゃん、てっきり来ると思ったんだがよ」  「彼女を初め、魔法師たち …