東京異界録 第3章 第32録
「マ、マーラさんって、もうひとりの要(かなめ)だったんだ」 「おや、そう見えないかな。まあ、戦いにそぐわないイイ男だからね」 ふふ、と何故か嬉しそうに話すマーラさん。どう突っ込んでよいものやら。 「プライベートに...
「マ、マーラさんって、もうひとりの要(かなめ)だったんだ」 「おや、そう見えないかな。まあ、戦いにそぐわないイイ男だからね」 ふふ、と何故か嬉しそうに話すマーラさん。どう突っ込んでよいものやら。 「プライベートに...
●鋭敏(えいびん) あの爺さんは偏屈だが、知恵の量はハンパない。長生きしてるだけあってさ。 しかもボケてないんだよな。見た目五十代でも通るんじゃないのか、あの人。 とても九十三には見えないって。ぜったい皮膚のばしてるよね...
●贏得(えいとく) 始めた確かにつまづきやすい。が、難しいことでもないんだ。思い出してごらん。 自分がされたら嬉しいことって何かな。そう、その感覚が大切なんだ。 それがビジネスに繋がる。そして、徐々に感覚が研ぎ澄まされて...
●HOゲージ 色々とあるけど、僕のいた国ではこのサイズが一番人気だったと思う。 弟が好きでさ。よくわからないんだけど、見た目がすごくかっこいいんだって。 日本に行ったら買いあさってきてなんて言われたんだけど。どれがどれだ...
●叡知(えいち) 同じ分野なら、どこから入っても結局同じ考えに至る、ような気がするな。 もちろん個人的だ。ほら、営業の本を読んでそう感じただけなんだけど。 方法は違うけど、考えかたは同じでさ。ただ単に表現が違うだけで。そ...
●永続性 よくこのままの形で残ったな。これだけ状態がよければ研究も進むだろう。 早速取り出したいが。傷つけないようにしなければ。気をつけてくれよ。 それにしても奇跡だ。今日ほど感動したことはない。体が震える程だよ。 それ...
私が目を覚ますと、よい香りが出迎えてくれる。どうやら、誰かが食事を用意してくれているようだ。 「おや、起きたのかい」 聞き慣れない男の人の声がする。二、三回まばたきをし、ようやく理解が出来た。あの戦いの後、疲れて爆...
●営造(えいぞう) 家族の幸せの形を手伝えるって、本当に嬉しいよな。精が出るってこのことだ。 この前のご家族なんて、差し入れもしてくれたし、子供にお礼を言われたよ。 それなのに。社長があんなことをいていたなんてな。何を信...
●衛生 これは汚なすぎ。何のために掃除機があるんだバカ。ほら、とっとと始めるよ。 ったくもう。様子を見に来てよかったよ。本当に手が焼ける奴なんだから。 気持ちはわかるけど、体が資本なんだから壊れたらおしまいだよ。もう。 ...
●詠春拳(えいしゅけん) 武術のひとつだ。あれは生徒の練習に使われる木の人形だよ。興味あるかい。 それにしても珍しいひとだ。旅人らしいが、どのように西から来たのかね。 はっはっは、ご冗談を。腰に下げている剣は飾り物ではあ...