東京異界録 第2章 第11録
突然現れた、フリフリの服を着ている女性。歳は二十歳前後、かわいくてスタイルもよく、まるで人形みたいな人だった。 雰囲気を除けば、ね。 「あら、どうしたの。一緒に遊びましょうよ」 「そーはいっても、おねーさん。何し …
突然現れた、フリフリの服を着ている女性。歳は二十歳前後、かわいくてスタイルもよく、まるで人形みたいな人だった。 雰囲気を除けば、ね。 「あら、どうしたの。一緒に遊びましょうよ」 「そーはいっても、おねーさん。何し …
太陽が完全に姿を現すと、一行は軽い朝食とった後シスターにお礼を伝え、周辺で情報収集を行うことに。 「なあエイトよ。お前は確か親も兄弟もおらんと言っておったな」 「ええ」 馬車を整備している家臣に声をかけるトロデ王 …
恐怖騒動がひと段落すると、私とユキは自宅に戻り、如月君はそのままカグナさんと話をした模様。 その最中で、私の力を高めるために、この辺りの怨鬼を、彼と一緒に退治して回ることになった。念のために、カーラ君やカヌス君も同行 …
マルチェロの命令で事実上追放を命じられたククールは、怒りや他の感情がまざったような表情をしながら部屋を退出。その後を、トロデ王は、わざとらしいほどに、 「姫と一緒に、馬車で待っとるからな~」 と、手を振りながら追っ …
カグナさんの店に集まった異界関係者たち。十二月(じゅうにげつ)の一人だという如月君と、妖怪兄妹とその祖父が、距離をとったまま動かないでいた。 そしてこのとき、私はカーラ君とカヌス君に初めてあったときのことを思い出す。 …
エイトたちが聖堂騎士団のひとり、ククールの助けを借りて修道院の牢獄から脱出した直後。修道院から火の手が上がっていることに気づく。 「橋が、修道院が燃えている。なぜ」 は、と、彼は、あることに気づく。 「バカな。さ …
赤土(あかつち)、もとい、須藤君と和解した、と言うべきなのかしら。まあ喧嘩を売られなくなったのは間違いないので、そういうことにしておこう。 気がかりなのは彼が抱えている問題で、命に関わることだから何とかしてあげたい気 …
暗雲に囲まれたような雰囲気の中、どう切り出せばよいのかわかりかねている私。話のスケールが大きくなりすぎて、何て答えればよいのか、検討がつかないのだ。 だって、いきなり死ぬ呪いをかけられてるって言われたら、ね。 「心 …
背後にたっていた腐った死体とミイラ男を撃破すると、一行は一度頭の中を整理する。ここは、伝染病が流行って閉鎖されたこと。そして、長き年月にわたって放置されたせいか魔物の巣窟になっている、ということだ。 もちろん、ここに …
やってきた先は、駅から徒歩15分ぐらいのところにある焼肉屋。ちょうど私の家からは正反対にあるこの場所は、大食いなら知らない人間はいないと言われるほどの人気店だった。 当然、食べ盛りの弟、雪祥(ゆきひろ)も知っている。 …