瞳の先にあるもの 第21話

 面会が終わったアマンダたちは、二手に別れることになった。アマンダと情報屋、リューデリアはテントで情報整理を、アードルフは弟分たちの手伝いをすることになったのである。  「セイリっつっても、集合場所の確認だけどな」  お …

瞳の先にあるもの 第2章 プロローグ

 とある人物、いや、人とは呼べぬ存在は少し先を見据えている。何故か最近おぼろげになるのだが、ある人物が離れているとくっきり見えるようだ。  変わってここは王家の別宮殿と名高く、王族が休息する際に利用されると一般的に言われ …

twitter小説 その435

●おおあらし(大嵐) ありゃりゃりゃ。どうすんのかね、こんなの大騒ぎになっちゃってさ。ま。 自業自得ってヤツ。ちゃんと警告してやったのにあぐらかいてるからそうなる。 まあいいさ。元々こうさせるのが目的だったし。作戦成功っ …

twitter小説 その434

●おおあかげら(大赤啄木鳥) あれ、なんだろあの穴。ほら、木のあそこが空いてるでしょ。あ、何か入った。 鳥さんだ。あれって鳥さんの巣だったんだね。中のぞいてみたいなあ、ダメ。 そっかあ、鳥さんがびっくりしちゃうもんね。残 …

twitter小説 その433

●オウンゴール お、おいおい、何やってんだって。向かうのはあっちのはずだろ。冗談じゃ。 これがまだ試合とかなら、いいさ。いや、よくないけど。ここは戦場だぞ。 悪夢じゃないか。味方が本隊を叩くために戻ってくるなんて。どうい …

twitter小説 その432

●営(えい) うわ、ムサ苦しい。仕方がないか。女性がいたらそれでまた心配だし。 ここは数少ない娯楽場、ね。たいがい賭け事か酒か。他にやることないのか。 それにしても面白いぐらい男しかいないな。ここは女尊男碑じゃなかったっ …

twitter小説 その431

●雲竜(うんりゅう、うんりょう) ふうん、大層な名前の割には大したことないんだね、この道具。へえ。 それにしても、よくこういうのが作れたよね。もちろん悪い意味じゃないよ。 性能は最悪だけど、暮らしを便利にしようと思って作 …

東京異界録 第3章 第32録

 「マ、マーラさんって、もうひとりの要(かなめ)だったんだ」  「おや、そう見えないかな。まあ、戦いにそぐわないイイ男だからね」  ふふ、と何故か嬉しそうに話すマーラさん。どう突っ込んでよいものやら。  「プライベートに …

東京異界録 第3章 第31録

 私が目を覚ますと、よい香りが出迎えてくれる。どうやら、誰かが食事を用意してくれているようだ。  「おや、起きたのかい」  聞き慣れない男の人の声がする。二、三回まばたきをし、ようやく理解が出来た。あの戦いの後、疲れて爆 …

東京異界録 第3章 第30録

 「どうするのだ。式になるか消えるか、選ぶがよい」  カーラ君に顔と声がそっくりな羽根の生えた男は、学校を覆っていた結界を女にかけ始める。閉じ込められた妖怪は、もがいて脱出しようとするが、叶わないようだ。  また、周りに …