●営(えい)
うわ、ムサ苦しい。仕方がないか。女性がいたらそれでまた心配だし。
ここは数少ない娯楽場、ね。たいがい賭け事か酒か。他にやることないのか。
それにしても面白いぐらい男しかいないな。ここは女尊男碑じゃなかったっけ。
まあ、それを知ってて来た俺も相当の変わり者だけど。ま、学者だからねえ。

●応力度(おうりょくど)
ふうん、これは一点集中してる構図だな。あ、親父が建設業界の人間でしてね。
俺は継ぐのが嫌で飛び出したんですけど、って、それはいいですね。つまり。
それぞれの結界を結んでみてください。そうです、これは消去用のものだ。
ここに突っ込んだら我々魔道師は手も足もでない。まずはそこですね。

●黄燐(おうりん)
なんつうものを撒きやがる。全員、死にたくなければここから離れるんだ。
大丈夫か。あれは猛毒でな、少量を摂取しただけでも死に至る危険なものだ。
おそらくあの辺り一帯に広がってるだろうな。くそ、急がなきゃいけないのに。
迂回するか。兵力を減らすわけにもいかないからな。よし誰か彼を呼べ。

●黄蓮(おうれん)
ああ、よかった。この花があれば何とかなりそうだよ。あ、ちょっと待って。
花のほうじゃなくて埋まってる茎のほうなんだ。丁寧に掘り出してくれよ。
ありがとう。おそらくこの辺りにも生えてると思うから、採取を頼むよ。
私は他のと合わせて生薬を作ってくる。他の部隊の分もあるからな。じゃ後で。

●黄蓮(おうれん)
ああ、花は白いよ。昔は染料に使われていたからそういう名前なだけなんだ。
懐かしいな。この花、実はよく取りにいってたんだよ。買う金がなくてさ。
お袋への花としてはもちろんだけど、胃弱な親父のために持っていったんだ。
俺が先生に無理を言って教えてもらって加工してたんだよ。何年も前にな。

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