twitter小説 その435

●おおあらし(大嵐) ありゃりゃりゃ。どうすんのかね、こんなの大騒ぎになっちゃってさ。ま。 自業自得ってヤツ。ちゃんと警告してやったのにあぐらかいてるからそうなる。 まあいいさ。元々こうさせるのが目的だったし。作戦成功っ …

twitter小説 その434

●おおあかげら(大赤啄木鳥) あれ、なんだろあの穴。ほら、木のあそこが空いてるでしょ。あ、何か入った。 鳥さんだ。あれって鳥さんの巣だったんだね。中のぞいてみたいなあ、ダメ。 そっかあ、鳥さんがびっくりしちゃうもんね。残 …

twitter小説 その433

●オウンゴール お、おいおい、何やってんだって。向かうのはあっちのはずだろ。冗談じゃ。 これがまだ試合とかなら、いいさ。いや、よくないけど。ここは戦場だぞ。 悪夢じゃないか。味方が本隊を叩くために戻ってくるなんて。どうい …

twitter小説 その432

●営(えい) うわ、ムサ苦しい。仕方がないか。女性がいたらそれでまた心配だし。 ここは数少ない娯楽場、ね。たいがい賭け事か酒か。他にやることないのか。 それにしても面白いぐらい男しかいないな。ここは女尊男碑じゃなかったっ …

twitter小説 その431

●雲竜(うんりゅう、うんりょう) ふうん、大層な名前の割には大したことないんだね、この道具。へえ。 それにしても、よくこういうのが作れたよね。もちろん悪い意味じゃないよ。 性能は最悪だけど、暮らしを便利にしようと思って作 …

東京異界録 第3章 第32録

 「マ、マーラさんって、もうひとりの要(かなめ)だったんだ」  「おや、そう見えないかな。まあ、戦いにそぐわないイイ男だからね」  ふふ、と何故か嬉しそうに話すマーラさん。どう突っ込んでよいものやら。  「プライベートに …

東京異界録 第3章 第31録

 私が目を覚ますと、よい香りが出迎えてくれる。どうやら、誰かが食事を用意してくれているようだ。  「おや、起きたのかい」  聞き慣れない男の人の声がする。二、三回まばたきをし、ようやく理解が出来た。あの戦いの後、疲れて爆 …

東京異界録 第3章 第30録

 「どうするのだ。式になるか消えるか、選ぶがよい」  カーラ君に顔と声がそっくりな羽根の生えた男は、学校を覆っていた結界を女にかけ始める。閉じ込められた妖怪は、もがいて脱出しようとするが、叶わないようだ。  また、周りに …

東京異界録 第3章 第29録

 ここは一体どこなんだろ。真っ暗で何もわからないし、聞こえないし。  わかるのは、ただ怖いってことだけ。女妖怪に捕まってからの記憶がまったくなくて。  助けを呼ぼうにも、体を動かせないみたいなのよね。当然、声も出ない。 …

東京異界録 第3章 第28録

 霊子によって発生させた竜巻から姿を見せた楓は、服装こそ変わらなかったが、髪と瞳の色が抜け、白と化していた。まるで、顔はそのままだが急激に老化したような雰囲気でもある。  しかし、加阿羅(カーラ)は何ひとつ動かさずに、そ …