東京異界録 第2章 第16録
「あの子が、十二月(じゅうにげつ)なのっ」 隣にいる同い年の如月君がそうなのも驚いたが、もっと幼い先程の女の子も同列の立場だという。 確か、十二月(じゅうにげつ)というのは、悪しきモノから天皇を守るための位置づけだ …
「あの子が、十二月(じゅうにげつ)なのっ」 隣にいる同い年の如月君がそうなのも驚いたが、もっと幼い先程の女の子も同列の立場だという。 確か、十二月(じゅうにげつ)というのは、悪しきモノから天皇を守るための位置づけだ …
紙上での視覚と何より地元人の案内が功を制し、ミーティア姫を買い取った女盗賊、ゲルダの元にすんなりとやってこれた一行。 とはいうものの、あくまで足の話であって、精神的には一部を除き後ろむき。 「はあ。出来ることなら二 …
プリムを倒し如月君が男に止めを刺そうとした矢先。いつもフォローしてくれている妖怪兄妹のひとり、カヌス君がそれを阻止した。 彼は普段どおりの勝気な笑顔で、左腕を下ろす。戦闘時に身に着けているらしい和服姿で、味方の攻撃を …
ヤンガスに案内を頼み、酒場までやってくる一行。ここ一番の大きな両開きの扉をあけると、この町では浮くだろう美しい馬がひく馬車があった。 エイトはミーティア姫に近づき、たてがみをなでる。問題がないことを確認すると、むかっ …
「怪我は問題ないのか」 「大丈夫、カーラ君が治してくれたから」 「わかった。男のほうは俺に任せろ」 うなずいた私と如月君は、再度構える。相手の二人はこちらを怪訝そうにうかがうと、同じく戦闘体制に入った。 動き出 …
パヴァン王のもてなしを受けたエイトたちは、久しぶりに豪華な食事とお酒を口にし、英気を養う。 その後、アスカンタにはドルマゲスが立ちよった形跡がないことがわかった一行は、情報を求めて旅立つことに。 「ふう~、食った食 …
肩を抑えながらうずくまるアタシ。耳をふさぎたくなるような鈍い音がしたと思ったら、知らない男が立っていた。 その手には血にぬれた剣が握られており、女のとは違うものだ。 「大丈夫ですか、プリム」 「クウちゃんってば、 …
光がやむと、一行の前には見知らぬ場所が開けていた。 「これ、現実? 私たち、夢を見ているの?」 何だか絵本みたいな感じで、すごい、わ、とゼシカ。 一方、まばたきしかできないエイトとヤンガス。対して、ククールは、 …
女はこちらにゆっくり、ゆっくりと近づいてくる。まるで何かを踏みしめるように。 「あなたが藜御楓(あかざみかえで)さんかしら」 至近距離までやってきた相手は、如月君にそう聞いた。だが、本人は何も言わず、にらみつけてい …
チーズの原料を手にいれたエイトたちは、アスカンタ王の真相を探るべく、夜になるのを宿で待つ。そして、アスカンタが更なる闇に包まれると、気のせいか誰かのすすり泣く声が聞こえてくる。 幻聴だと思いたいリーダーだが、城に近づ …