東京異界録 第3章 第22録
訳のわからない漫才コンビが立ち去った後、私たちは再び校内を巡回し始める。私、カーラ君、明日香ちゃん、プリムの四人で横一列になって移動するには少々狭い廊下を歩いている、が。 「考えてみれば食堂が機能してるワケないわよね …
訳のわからない漫才コンビが立ち去った後、私たちは再び校内を巡回し始める。私、カーラ君、明日香ちゃん、プリムの四人で横一列になって移動するには少々狭い廊下を歩いている、が。 「考えてみれば食堂が機能してるワケないわよね …
謎の光で助かった雪祥(ゆきひろ)は、自身に何が起こったのか理解できず、一瞬放心状態に陥る。だが、すぐに目標を思い出し、脇差を構えた。 一方、子供は異形を見るような目で睨んでいる。 「お前、いったい何者だ」 「それ …
「よっしゃあ、成功っ」 「上手くいったな」 「涼ちん、ゴクローサマッ」 「お前、それはな」 どっと疲れが出てしまった涼太。それは目下に対して使う言葉だ、と口にしたかったのだが、悪気のない笑みは、きっと知らないの …
雪祥(ゆきひろ)が思いついた作戦は、上手くいけば相手の防御網、つまり、あのツタをなくすことができるかもしれない内容だった。 もちろん、一種の賭けでもある。 「ってことだから、そっちは頼んだよ」 「任せろ。お前も気 …
「まさかあんたに苦手なものがあるなんてな」 「あらそう。たくさんあるわよ」 「ぶっちゃけ意外だよ。三人とも何でもできると思ってた」 ないない、と困ったように笑う伽糸粋(カシス)。ここだけ見たら、目前に敵がいること …
ドジな女忍者以降、雪祥(ゆきひろ)たちに、それ以降目立った襲撃はなかった。校内構造がよくわからない、というのもあり、ゆっくり進んでいるのもあるかもしれないが。 とはいえ、涼太の手には地図がある。しかし、迷ったときにし …
立場上、校内で一番偉い立場の者が使う部屋に、一人の少年が現れる。ジャージ姿でけだるそうに歩いている彼は、遠慮なしに来賓用のソファーに座った。 「これは坊ちゃま、お久しぶりでございます」 「オレに対してその態度はしな …
カヌス君が大怪我で離脱すると、私はカーラ君と明日香ちゃん、そしてプリムのチームに合流する。今までとくに変わったことはなく、話をしながら歩いていた。 「あ、あの、あの」 と、下のほうから声をかけられる。主は明日香ちゃ …
右腕から繰り出された雷撃は、ひとつは狙い通りに当たったが、もうひとつはよけられてしまい、後続の同類に激突する。ちょっと気の毒であるが。 残る二匹は速度を上げ、更に腕を高くあげて威嚇しながらやってくるが、その間左手に溜 …
まずは自分のために戦えよ。 その言葉が何故か頭から離れず、ずっと背後霊みたいについて来ている。いや、背後霊は失礼ね。せめて守護霊にしておこう。 って、そんなこと考えてる場合じゃなかった。目の前からは、人外たちが多数 …