東京異界録 第2章 第13録
肩を抑えながらうずくまるアタシ。耳をふさぎたくなるような鈍い音がしたと思ったら、知らない男が立っていた。 その手には血にぬれた剣が握られており、女のとは違うものだ。 「大丈夫ですか、プリム」 「クウちゃんってば、 …
肩を抑えながらうずくまるアタシ。耳をふさぎたくなるような鈍い音がしたと思ったら、知らない男が立っていた。 その手には血にぬれた剣が握られており、女のとは違うものだ。 「大丈夫ですか、プリム」 「クウちゃんってば、 …
女はこちらにゆっくり、ゆっくりと近づいてくる。まるで何かを踏みしめるように。 「あなたが藜御楓(あかざみかえで)さんかしら」 至近距離までやってきた相手は、如月君にそう聞いた。だが、本人は何も言わず、にらみつけてい …
突然現れた、フリフリの服を着ている女性。歳は二十歳前後、かわいくてスタイルもよく、まるで人形みたいな人だった。 雰囲気を除けば、ね。 「あら、どうしたの。一緒に遊びましょうよ」 「そーはいっても、おねーさん。何し …
恐怖騒動がひと段落すると、私とユキは自宅に戻り、如月君はそのままカグナさんと話をした模様。 その最中で、私の力を高めるために、この辺りの怨鬼を、彼と一緒に退治して回ることになった。念のために、カーラ君やカヌス君も同行 …
カグナさんの店に集まった異界関係者たち。十二月(じゅうにげつ)の一人だという如月君と、妖怪兄妹とその祖父が、距離をとったまま動かないでいた。 そしてこのとき、私はカーラ君とカヌス君に初めてあったときのことを思い出す。 …
赤土(あかつち)、もとい、須藤君と和解した、と言うべきなのかしら。まあ喧嘩を売られなくなったのは間違いないので、そういうことにしておこう。 気がかりなのは彼が抱えている問題で、命に関わることだから何とかしてあげたい気 …
暗雲に囲まれたような雰囲気の中、どう切り出せばよいのかわかりかねている私。話のスケールが大きくなりすぎて、何て答えればよいのか、検討がつかないのだ。 だって、いきなり死ぬ呪いをかけられてるって言われたら、ね。 「心 …
やってきた先は、駅から徒歩15分ぐらいのところにある焼肉屋。ちょうど私の家からは正反対にあるこの場所は、大食いなら知らない人間はいないと言われるほどの人気店だった。 当然、食べ盛りの弟、雪祥(ゆきひろ)も知っている。 …
男子のバスケチームが決まってから数日。女子のほうもほとんど決まりかけ、ちょっとした練習をすることになった。 といっても、軽くルールを教えてもらったり、自主的に練習する人が集まるぐらいだから、大したことはない。 人数 …
シキに調査を依頼してから30分ほど。宿題も終わり暇を持て余していたので、カグナさんの店に移動することに。 ちょうどやりきった後に翔(しょう)君と合流したため、今は3人で移動中だ。 ご飯も目当てだけどね。カグナさんが …