東京異界録 第1章 第10録
赤土と勝負しにやってきたハズが、なぜか竜間とその取り巻きと喧嘩するハメになったアタシたち。前者に関しては事前に取り付けられていたからともかく、後者は完全な邪魔者で、アタシたちのことが鼻につくらしい。 奴はいつも隙を狙...
赤土と勝負しにやってきたハズが、なぜか竜間とその取り巻きと喧嘩するハメになったアタシたち。前者に関しては事前に取り付けられていたからともかく、後者は完全な邪魔者で、アタシたちのことが鼻につくらしい。 奴はいつも隙を狙...
ある一族に、古くから伝わる予言がある。 時は刻一刻とせまっていた。 鷹が気持ちよさそうに飛びかう日中のとある森に、ちょっとした異変が起こった。走り回っていた小さな動物が、魔物と遭遇したのである。 驚いた動物は、愛...
ある声で目が覚めた私。どうやら眠っていたようだ。 「ねーちゃんってば。ご飯できたよ」 「ん、今いく」 昼間から戦ったせいで疲れたのかもしれない。まあ、顔を洗えば意識がはっきりするだろう。 「レオンにお供えしとい...
ふと目を覚ますと、白い頭が四つに猫っぽい顔にサルっぽい顔、その他、いろいろな動物のりんかくが目にはいった。数秒後だろうか、なにやら嬉しそうにしているような奇声が聞こえてくる。 「サクヤ、大丈夫っちか」 「えー、あー...
自宅のドアを開けて見えた、リビングに立っている謎の大男。あの黒ずくめはいったい何なのだろうか。 「どうしたんだ」 「だ、誰かが中にいる」 条件反射のように行動した鳴兄は、私を押しのけ扉を開ける。乱暴に扱われた扉は...
「モグリン、落ち着くっちよ」 ピクルが跳ねながら間にはいってくれるが、いつの間にきていた同じ姿のモグラが、彼らの頭一個分ぐらい大きい同種を抑えにかかっているほうが説得力があった。暴力をふるった張本人は、完全に頭が沸騰...
一度家に戻ることになった私と弟のユキは、店で妖怪たちと別れたあと、近くにある自宅へとむかう。 徒歩十分ぐらいにあるその場所は、外観もキレイで、周りにコンビニやスーパーがあるため住みやすい。 エントランスに入ってセキ...
最後の大陸である、夏の大陸。止まっている季節の名を借りてそう呼ぶとして、スノーマンにとってもっとも過酷な場所といえるだろう。 「これは思った以上に寒いっちね。着こんでよかったっちよ」 こちとらTシャツにハーフパンツ...
店に着いた私たちは、CLOSEと書かれた喫茶店の扉を遠慮なく開ける。店は中から漂っている仕込みの香りで歓迎してくれた。 店内には、先に到着していた人たちがおり、来客を知らせる鈴の音で振り返る。 「お帰り、ねーちゃん...
「縮んじまってるじゃないか。ピクル、大丈夫か」 「な、何とかだいじゅ、ぶ、っち」 全然ダメだ。言葉が途切れ途切れになっている。 「バードマン、どうすればいいんだ」 「氷庫の中にある氷を突っ込んで大人しくしてれば...