東京異界録 第3章 第6録
球数の割には大したダメージじゃなかったけれど、跳ねまくるボールのせいで役目がはたせない状態になった廊下。その先では、カヌス君と有田という同い年の男子生徒と切り結んでいる。 「この野郎。オレ様相手に随分なことぬかしやが …
球数の割には大したダメージじゃなかったけれど、跳ねまくるボールのせいで役目がはたせない状態になった廊下。その先では、カヌス君と有田という同い年の男子生徒と切り結んでいる。 「この野郎。オレ様相手に随分なことぬかしやが …
カーラ君が術をぶっ放したあと、私たち人間組は思わず見合わせる。しばらくすると、放心状態がとけたため、それぞれのグループに分かれて行動を開始。習うより慣れろという言葉通りに頭と身体を動かすことに。 た、戦う準備自体はし …
「ゲ、ゲームって、どういうこと」 翔(しょう)君の言っていることが分からず、聞き返す私。当然、バスケのことを指しているわけではないだろう。 「加阿羅(カーラ)、ボケなくていいので卒直に」 ん~、と、うなっていた長 …
存在自体を忘れたい相手である目の前の奴は、何故か学校の体操着を着ており、カチューシャをしていた。 思いっきり校則違反ですけど。 「た、竜間(たつま)。何であんたがここに」 「何でって。オレはここの生徒だぜ」 ウ …
コンビニに寄って戦闘食を手に入れると登校する私たち。まあ、正体はお菓子だけど。 朝から体操着に着替えると、全校生徒は体育館に集合し、コウチョーセンセーの話をあくびしながら聞いたあとは、張り出されているトーナメント戦の …
十二月(じゅうにげつ)の女の子、明日香ちゃんが無事に助け出され、彼女はクサナギとともにカーラ君たちの家に住むことになった。本来なら現実世界の家がよかったのだが、すぐに用意するのは難しかったためだ。 まあ、クサナギがい …
カシスちゃんが取り出したのは、女の子のペンダント。ジジイに破壊されたはずのものが、どうして彼女の手元にあるのだろうか。 「話が長くなるから、ひとまず逃げましょう」 「うん、早くしよーよ。このままここにいたら、オレた …
「ジジイだけを攻撃すればいいんだね」 「ええ。老人が核になってるの、そこを破壊すればいいのよ」 しかし、相手はクソ野郎でも人間は人間。破壊する、ということは、殺す、ということだ。 「楓、アレはもう人間じゃないわ。 …
力を出したカヌス君は、もう一度左手にレイリョクを集めながらジジイに向かっていく。今度は壁をすり抜け、相手にストレートをお見舞いした。 顔面に入ったパンチはジジイを壁に激突させる。 「ば、馬鹿な。何故結界が利かん」 …
じいさんが取り出したのは、ペンダントだった。赤い水晶のようなものがついており、かわいらしい見た目である。 「これがどうなっても良いのか」 「や、やめて下さい。言うこと、聞きますから」 「ならば早くしろ。娘たちの四 …