東京異界録 第3章 第1録
十二月(じゅうにげつ)の女の子、明日香ちゃんが無事に助け出され、彼女はクサナギとともにカーラ君たちの家に住むことになった。本来なら現実世界の家がよかったのだが、すぐに用意するのは難しかったためだ。 まあ、クサナギがい …
十二月(じゅうにげつ)の女の子、明日香ちゃんが無事に助け出され、彼女はクサナギとともにカーラ君たちの家に住むことになった。本来なら現実世界の家がよかったのだが、すぐに用意するのは難しかったためだ。 まあ、クサナギがい …
カシスちゃんが取り出したのは、女の子のペンダント。ジジイに破壊されたはずのものが、どうして彼女の手元にあるのだろうか。 「話が長くなるから、ひとまず逃げましょう」 「うん、早くしよーよ。このままここにいたら、オレた …
「ジジイだけを攻撃すればいいんだね」 「ええ。老人が核になってるの、そこを破壊すればいいのよ」 しかし、相手はクソ野郎でも人間は人間。破壊する、ということは、殺す、ということだ。 「楓、アレはもう人間じゃないわ。 …
力を出したカヌス君は、もう一度左手にレイリョクを集めながらジジイに向かっていく。今度は壁をすり抜け、相手にストレートをお見舞いした。 顔面に入ったパンチはジジイを壁に激突させる。 「ば、馬鹿な。何故結界が利かん」 …
じいさんが取り出したのは、ペンダントだった。赤い水晶のようなものがついており、かわいらしい見た目である。 「これがどうなっても良いのか」 「や、やめて下さい。言うこと、聞きますから」 「ならば早くしろ。娘たちの四 …
嫌な雰囲気が漂う中、私は体を動かそうと必死に力を入れる。だが、まるで何かに抑えつけられているような感じがして、動くに動けない。 「書き終わったのなら、こちらに紙を持ってきてもらえるかな」 あのクソジジイ、知ってて言 …
「な、何っ」 視角が光に包まれた瞬間、私の体は軽くなり、前から来た大きな光弾が放った主へと返っていく。 自らのジュツでダメージを負ったクサナギは、壁に激突し咳き込んでしまっている。 「い、今のは完全な反流(はんる …
白昼堂々と、学校で襲撃してきたクサナギ。私は運悪く妖怪兄弟と離れてしまい、一対一を強いられてしまう。 「どうしました。かかってこないのですか」 勝てる気がしないんで。無駄に戦いたくないのもあるけど。 とは思いつ …
家に帰った私は、鳴(なる)兄に事情を話してしかめっ面にさせてしまった後、何とかわかってもらいベッドにもぐる。 翌朝、通常の朝がやってくると、普通に学校へと登校。最近、毎日が長く感じる気もしつつ、忘れかけてたバスケのこ …
「事情、ね。どうしてそう思う」 と、カーラ君。神無月が本当に戦いを望んでいるのか疑問だということを伝えての回答だった。 「カンとしか言いようがないんだけど」 少し、間をおいて、私なりに話してみることに。 ひとつ …