東京異界録 第2章 第5録
男子のバスケチームが決まってから数日。女子のほうもほとんど決まりかけ、ちょっとした練習をすることになった。 といっても、軽くルールを教えてもらったり、自主的に練習する人が集まるぐらいだから、大したことはない。 人数 …
男子のバスケチームが決まってから数日。女子のほうもほとんど決まりかけ、ちょっとした練習をすることになった。 といっても、軽くルールを教えてもらったり、自主的に練習する人が集まるぐらいだから、大したことはない。 人数 …
シキに調査を依頼してから30分ほど。宿題も終わり暇を持て余していたので、カグナさんの店に移動することに。 ちょうどやりきった後に翔(しょう)君と合流したため、今は3人で移動中だ。 ご飯も目当てだけどね。カグナさんが …
楓が式を使い調べている頃、加阿羅(カーラ)は人気のない屋上へと来ていた。彼は壁に背を預け、眠っているようにも見えるが、顔には影が落ちている。 『加阿羅、何してるの』 『ん、伽糸粋(カシス)か。別に何もしていないよ』 …
あの練習の後、一部だけ教室に戻り男女別にチーム分けを行い、男子はすんなりと決まって体育館へ戻った。だが、女子は経験者が少ないため、練習してから決めることに。 今は行事の中心人物の四人と一緒だ。 「ってかさ、女子用の …
いきなり現れた妖怪兄弟の次男坊。顔が至近距離にあることを理解するのに、数秒はかかっただろうか。 「うわ、ちかちか、近いっ」 「わわ、暴れんじゃねえよっ」 足が落ち着いても、心臓の音が全身を駆けめぐっている。ああ、 …
赤土と勝負しにやってきたハズが、なぜか竜間とその取り巻きと喧嘩するハメになったアタシたち。前者に関しては事前に取り付けられていたからともかく、後者は完全な邪魔者で、アタシたちのことが鼻につくらしい。 奴はいつも隙を狙 …
自宅のドアを開けて見えた、リビングに立っている謎の大男。あの黒ずくめはいったい何なのだろうか。 「どうしたんだ」 「だ、誰かが中にいる」 条件反射のように行動した鳴兄は、私を押しのけ扉を開ける。乱暴に扱われた扉は …
一度家に戻ることになった私と弟のユキは、店で妖怪たちと別れたあと、近くにある自宅へとむかう。 徒歩十分ぐらいにあるその場所は、外観もキレイで、周りにコンビニやスーパーがあるため住みやすい。 エントランスに入ってセキ …
店に着いた私たちは、CLOSEと書かれた喫茶店の扉を遠慮なく開ける。店は中から漂っている仕込みの香りで歓迎してくれた。 店内には、先に到着していた人たちがおり、来客を知らせる鈴の音で振り返る。 「お帰り、ねーちゃん …
いったいどこから湧き出てくるのか、狼の数は一向に減る気配がない。一番前の奴らを倒しても、最後列にまた出てくるような感じだ。 「肌の新陳代謝かよ、っとに」 「面白い例えだね」 「そりゃどうも」 あちらは大太刀を、 …