東京異界録 第3章 第11録
有田との戦いのあと、のどが渇いたため一階にある自動販売機前まで移動した私たち。炭酸飲料を口にし、ちょっとすっきりすると、思わずふーっと息を吐き出した。 「それにしても、マジで今まで気がつかなかったのかよ」 呆れなが …
有田との戦いのあと、のどが渇いたため一階にある自動販売機前まで移動した私たち。炭酸飲料を口にし、ちょっとすっきりすると、思わずふーっと息を吐き出した。 「それにしても、マジで今まで気がつかなかったのかよ」 呆れなが …
明日香たちが入った部屋には、誰もおらず、しんとしている。当然、視覚と聴覚機能は意味をなさなかった。 「主人(マスター)、ガンバってっ」 「う、うん」 と、語尾にハートマークがつきそうな口調で言うプリム。一方、加阿 …
楓や雪祥(ゆきひろ)たちが敵と戦っている最中、保健室にふたつの気配を感じとるクサナギ。 しかし、彼にとって危険ではないため、特に何もしなかった。 「はぁい、ダーリン。久しぶりっ」 「誰がダーリンですか」 「んも …
「あれ、カシスちゃん。いつもの薙刀じゃないんだね」 「この狭い場所での長物は動きづらいのよ」 時と場合によって武器を変えてるわ、と彼女。戦鎚を見、ふうん、と目をぱちぱちさせながらも、雪祥(ゆきひろ)は感心していた。 …
同じチームになった雪祥(ゆきひろ)と涼太、そして伽糸粋(カシス)は、一番最後に保健室を後にする。また、ゲームについての詳細は、彼女から事前に聞かされていたため、楓のように驚くこともなかった。 「そっかあ、そりゃ一緒の …
球数の割には大したダメージじゃなかったけれど、跳ねまくるボールのせいで役目がはたせない状態になった廊下。その先では、カヌス君と有田という同い年の男子生徒と切り結んでいる。 「この野郎。オレ様相手に随分なことぬかしやが …
カーラ君が術をぶっ放したあと、私たち人間組は思わず見合わせる。しばらくすると、放心状態がとけたため、それぞれのグループに分かれて行動を開始。習うより慣れろという言葉通りに頭と身体を動かすことに。 た、戦う準備自体はし …
「ゲ、ゲームって、どういうこと」 翔(しょう)君の言っていることが分からず、聞き返す私。当然、バスケのことを指しているわけではないだろう。 「加阿羅(カーラ)、ボケなくていいので卒直に」 ん~、と、うなっていた長 …
存在自体を忘れたい相手である目の前の奴は、何故か学校の体操着を着ており、カチューシャをしていた。 思いっきり校則違反ですけど。 「た、竜間(たつま)。何であんたがここに」 「何でって。オレはここの生徒だぜ」 ウ …
コンビニに寄って戦闘食を手に入れると登校する私たち。まあ、正体はお菓子だけど。 朝から体操着に着替えると、全校生徒は体育館に集合し、コウチョーセンセーの話をあくびしながら聞いたあとは、張り出されているトーナメント戦の …