東京異界録 第1章 第6録
店に着いた私たちは、CLOSEと書かれた喫茶店の扉を遠慮なく開ける。店は中から漂っている仕込みの香りで歓迎してくれた。 店内には、先に到着していた人たちがおり、来客を知らせる鈴の音で振り返る。 「お帰り、ねーちゃん …
店に着いた私たちは、CLOSEと書かれた喫茶店の扉を遠慮なく開ける。店は中から漂っている仕込みの香りで歓迎してくれた。 店内には、先に到着していた人たちがおり、来客を知らせる鈴の音で振り返る。 「お帰り、ねーちゃん …
「縮んじまってるじゃないか。ピクル、大丈夫か」 「な、何とかだいじゅ、ぶ、っち」 全然ダメだ。言葉が途切れ途切れになっている。 「バードマン、どうすればいいんだ」 「氷庫の中にある氷を突っ込んで大人しくしてれば …
いったいどこから湧き出てくるのか、狼の数は一向に減る気配がない。一番前の奴らを倒しても、最後列にまた出てくるような感じだ。 「肌の新陳代謝かよ、っとに」 「面白い例えだね」 「そりゃどうも」 あちらは大太刀を、 …
1枚ごとに掲載していますが、画像をクリックしていただくと、ライトボックスが開いてご覧いただくこと画できます^^* マンガTOPへ 第2録へ 全体一覧へ <メルマガ> 最新作速達便 新作品をい …
うららかな陽気に、思わず昼寝をしたくなりそうになる。服も厚着をしなくてすむし、動きやすい気温だ。 一部、のぞかれるが。 「やっぱりちょっと肌寒いっちねぇ」 だから、お前だけだっつーの。 雪の精霊だから仕方がない …
学校を案内させられた後、今日は異常なかったようなので、そのまま帰路へとつく私たち。彼らは真昼間なのにも関わらず、ゴエイだからとかってついてきているけれど。 「ため息ばっかついてっと、幸せ逃げるぞ」 「あのねえ」 …
「少しの間でいいのっ。私がたくさんの食料を集めて巣の中に入れておくから、それまでの間だけ。ね、お願い」 「そうは言ってもっちね~」 小鳥と雪ダルマとの対話が続く。見た目のせいかほんわかしているが、話す内容は随分と随 …
時は流れ、今は正午。ホームルームが終わったあと、彼らはクラスメイトに囲まれ、質問攻めにあったのだ。 なぜか私も巻きぞえになったんだけど。 で、お昼近くなったから、空腹に耐えかねてコンビニまで行ってきたってわけ。部活 …
秋で季節が止まっている大陸、とりあえず秋の大陸、と呼んでおく。この世界には、スノーマン以外の生物や大陸に名前がついていないらしい。植物にはあるようだが。 移動手段は瞬間移動。どうなっているのか知らないが、RPGゲーム …
あの出会いから7回目の桜が散り始めている今、私は高校二年生になった。窓の外にある道がピンク色に染まる光景を見ながら、ぼんやりとしている。 まあ、相変わらず、妙な存在である彼らとの関係も、続いているけれどね。はあ。 …