東京異界録 第2章 第6録

 やってきた先は、駅から徒歩15分ぐらいのところにある焼肉屋。ちょうど私の家からは正反対にあるこの場所は、大食いなら知らない人間はいないと言われるほどの人気店だった。  当然、食べ盛りの弟、雪祥(ゆきひろ)も知っている。 …

東京異界録 第2章 第5録

 男子のバスケチームが決まってから数日。女子のほうもほとんど決まりかけ、ちょっとした練習をすることになった。  といっても、軽くルールを教えてもらったり、自主的に練習する人が集まるぐらいだから、大したことはない。  人数 …

東京異界録 第2章 第4録

 シキに調査を依頼してから30分ほど。宿題も終わり暇を持て余していたので、カグナさんの店に移動することに。  ちょうどやりきった後に翔(しょう)君と合流したため、今は3人で移動中だ。  ご飯も目当てだけどね。カグナさんが …

東京異界録 第2章 第3録

 楓が式を使い調べている頃、加阿羅(カーラ)は人気のない屋上へと来ていた。彼は壁に背を預け、眠っているようにも見えるが、顔には影が落ちている。  『加阿羅、何してるの』  『ん、伽糸粋(カシス)か。別に何もしていないよ』 …

ドラゴンクエスト8 竜の軌跡 第6話

 ゼシカが階段を下りると、部屋は重苦しい雰囲気に包まれた。母親のアローザの表情が、何かを押し殺したようになっているのだ。  「ゼシカが出ていってしまった。いや、そもそもアルバート家ではなくなってしまったのでは結婚など」 …

東京異界録 第2章 第2録

 あの練習の後、一部だけ教室に戻り男女別にチーム分けを行い、男子はすんなりと決まって体育館へ戻った。だが、女子は経験者が少ないため、練習してから決めることに。  今は行事の中心人物の四人と一緒だ。  「ってかさ、女子用の …

ドラゴンクエスト8 竜の軌跡 第5話

 綺麗に束ねられた花は、地面に落とされ形を台無しにしてしまう。しかし、立っている女性は気にもとめずこちらを見ていた。  エイトが話しかけようとしたとき、気の強そうな見た目をしている相手の顔が変わり、  「とうとう現れたわ …

東京異界録 第2章 第1録

 家に帰って翌日の準備をして就寝した私たちは、日が昇ると普通の学生に戻るようになっている。  朝のドタバタを過ごしたあと学校に着くと、三時間目までは普通の授業を受け、それからHRに。  本来なら次は国語なのだが、学校行事 …

東京異界録 第1章 第12録

 いきなり現れた妖怪兄弟の次男坊。顔が至近距離にあることを理解するのに、数秒はかかっただろうか。  「うわ、ちかちか、近いっ」  「わわ、暴れんじゃねえよっ」  足が落ち着いても、心臓の音が全身を駆けめぐっている。ああ、 …