東京異界録 第1章 第9録

 ある声で目が覚めた私。どうやら眠っていたようだ。  「ねーちゃんってば。ご飯できたよ」  「ん、今いく」  昼間から戦ったせいで疲れたのかもしれない。まあ、顔を洗えば意識がはっきりするだろう。  「レオンにお供えしとい …

東京異界録 第1章 第8録

 自宅のドアを開けて見えた、リビングに立っている謎の大男。あの黒ずくめはいったい何なのだろうか。  「どうしたんだ」  「だ、誰かが中にいる」  条件反射のように行動した鳴兄は、私を押しのけ扉を開ける。乱暴に扱われた扉は …

東京異界録 第1章 第7録

 一度家に戻ることになった私と弟のユキは、店で妖怪たちと別れたあと、近くにある自宅へとむかう。  徒歩十分ぐらいにあるその場所は、外観もキレイで、周りにコンビニやスーパーがあるため住みやすい。  エントランスに入ってセキ …

東京異界録 第1章 第6録

 店に着いた私たちは、CLOSEと書かれた喫茶店の扉を遠慮なく開ける。店は中から漂っている仕込みの香りで歓迎してくれた。  店内には、先に到着していた人たちがおり、来客を知らせる鈴の音で振り返る。  「お帰り、ねーちゃん …

東京異界録 第1章 第5録

 いったいどこから湧き出てくるのか、狼の数は一向に減る気配がない。一番前の奴らを倒しても、最後列にまた出てくるような感じだ。  「肌の新陳代謝かよ、っとに」  「面白い例えだね」  「そりゃどうも」  あちらは大太刀を、 …

【マンガ版】東京異界録 第1章 第1録 (ラフ画)

1枚ごとに掲載していますが、画像をクリックしていただくと、ライトボックスが開いてご覧いただくこと画できます^^*   マンガTOPへ  第2録へ 全体一覧へ   <メルマガ> 最新作速達便 新作品をい …

東京異界録 第1章 第4録

 学校を案内させられた後、今日は異常なかったようなので、そのまま帰路へとつく私たち。彼らは真昼間なのにも関わらず、ゴエイだからとかってついてきているけれど。  「ため息ばっかついてっと、幸せ逃げるぞ」  「あのねえ」   …

東京異界録 第1章 第3録

 時は流れ、今は正午。ホームルームが終わったあと、彼らはクラスメイトに囲まれ、質問攻めにあったのだ。  なぜか私も巻きぞえになったんだけど。  で、お昼近くなったから、空腹に耐えかねてコンビニまで行ってきたってわけ。部活 …

東京異界録 第1章 第2録

 あの出会いから7回目の桜が散り始めている今、私は高校二年生になった。窓の外にある道がピンク色に染まる光景を見ながら、ぼんやりとしている。  まあ、相変わらず、妙な存在である彼らとの関係も、続いているけれどね。はあ。   …

東京異界録 第1章 第1録

 天の機嫌のよい日、しかし、厄除けの女神はあまり機嫌がよくなかったらしい。  そんな中、桜は新たな旅立ちを祝福し始めていた。そんな中、水色のランドセルを背負った女の子が、下をむきならが歩いている。  顔立ちはかわいらしく …