東京異界録 第1章 第4録

 学校を案内させられた後、今日は異常なかったようなので、そのまま帰路へとつく私たち。彼らは真昼間なのにも関わらず、ゴエイだからとかってついてきているけれど。  「ため息ばっかついてっと、幸せ逃げるぞ」  「あのねえ」   …

スノーマン 白秋の大陸 後編

 「少しの間でいいのっ。私がたくさんの食料を集めて巣の中に入れておくから、それまでの間だけ。ね、お願い」  「そうは言ってもっちね~」  小鳥と雪ダルマとの対話が続く。見た目のせいかほんわかしているが、話す内容は随分と随 …

東京異界録 第1章 第3録

 時は流れ、今は正午。ホームルームが終わったあと、彼らはクラスメイトに囲まれ、質問攻めにあったのだ。  なぜか私も巻きぞえになったんだけど。  で、お昼近くなったから、空腹に耐えかねてコンビニまで行ってきたってわけ。部活 …

スノーマン 白秋の大陸 前編

 秋で季節が止まっている大陸、とりあえず秋の大陸、と呼んでおく。この世界には、スノーマン以外の生物や大陸に名前がついていないらしい。植物にはあるようだが。  移動手段は瞬間移動。どうなっているのか知らないが、RPGゲーム …

東京異界録 第1章 第2録

 あの出会いから7回目の桜が散り始めている今、私は高校二年生になった。窓の外にある道がピンク色に染まる光景を見ながら、ぼんやりとしている。  まあ、相変わらず、妙な存在である彼らとの関係も、続いているけれどね。はあ。   …

スノーマン 玄冬の大陸 後編

 「みんな、聞いてっち。サクヤはみんなをいじめたりし」  べしゃっ、とピクルは滑ってしまい、頭と胴体が離れてしまった。  ぎ、ぎゃーっ。何してんだ、こんな非常時にっ。  「い、痛いっち。サクヤ、助けてっち」  「どどど、 …

東京異界録 第1章 第1録

 天の機嫌のよい日、しかし、厄除けの女神はあまり機嫌がよくなかったらしい。  そんな中、桜は新たな旅立ちを祝福し始めていた。そんな中、水色のランドセルを背負った女の子が、下をむきならが歩いている。  顔立ちはかわいらしく …

スノーマン 玄冬の大陸 前編

 寒さ対策のために、色々と準備中の俺。といっても、持ってきてもらった厚手の服を着こむだけだけど。何分スキーなどのウィンタースポーツをやったことはないし、雪国のように寒い地方に行ったこともないから、着ては外にでて調節して、 …

スノーマン 世界にようこそ

 スマホの復しゅうでも受けたのだろうか。機械に労働基準法はないと思うんだけど。  たしか家でアプリを立ちあげてゲームしていたのは間違いない。  ところがどっこい。何がどうなっているのか辺り一面、雪景色なのである。  今ま …