●オーボエ
それは獣の声だろ。こっちだこっち、ギャグかましてる場合じゃないんだって。
発表会がいつだか知ってんだろ。今までどこほっつき歩いてたんだ。ほら。
お前も合わせろ。ちゃんとやっておかないと当日大変なことになるだろうが。
お前いつ練習したんだ。思ったより上手いじゃないか。よし、イケるぞ。
●おおみず(大水)
道のほうは冠水したようだな。これでは町に戻ることも叶わんだろう。ふっ。
別にあの町がどうなろうと知ったことではない。話を聞かなかったしな。
半信半疑ながらも準備をした者たちはちゃんと家財も守れている。人格だな。
それにしても中央は残酷なことをする。それに関しては許し難い、どうする。
●おおみそか(大晦日)
月日は巡る。地上がどのようなことになっていようと、地球は回り続ける。
そう、暦は人が管理しやすいように作った時間管理のひとつ。本当に面白い。
動植物にはない発想だ。日が昇り隠れて、また昇る。ただそれだけのこと。
様々なことに影響を及ぼした暦だが、我々には戯言のひとつに過ぎないのだ。
●おおみち(大道)
後どれぐらいでつくんだか。カーナビも機能しないし、地図もないときた。
はあ、ガソリンはたんまりあるから問題ないとして。人が全くいないのはなあ。
困った、まるでまっすぐな道がループしてるような感じがする。ありえないけど。
「本来ならね。あなたにたどり着かれちゃあ、こちらが困るのよね」
●おおみち(大道)
うわ、広いなこの辺り。そうか、車社会だから交通量が多くて当然だよな。
いやさ。都内だと駐車場は高いわ、一方通行が多いわで大変なんだよ、車。
私が方向音痴だっていうのもあるけど。近場ならチャリのほうが早かったり。
慣れだろうけどね。車は便利だし、買い物とかの荷物も楽に運べるし、さ。