自由な色彩 エピローグ編
ナルニムが起こした事件は、瞬く間に全世界へと広がった。身につけた力は邪法といわれる法律でも禁じられたものであったこと、外見とは裏腹な人物であったこと、当主であった叔父と義理叔母を毒殺し、後継者である息子をもそうしようと...
ナルニムが起こした事件は、瞬く間に全世界へと広がった。身につけた力は邪法といわれる法律でも禁じられたものであったこと、外見とは裏腹な人物であったこと、当主であった叔父と義理叔母を毒殺し、後継者である息子をもそうしようと...
試験もいよいよ最後の段階。今までのペースならば時間に追われることもなさそうなので、フィラは上機嫌で進んでいる。しかも本人にとっては一番得意としている火属性。精神的にも余裕が生まれたのだろう。 とはいえ、ここで力を抜い...
太陽が中央を少しすぎたとき、フィラは遅めの昼食をとっていた。低速で飛びながら、器用にもひざの上に小さめでかわいらしい薄ピンクのトレーを置き、パンと果物、そしてジュースが入ったビンが並べられている。 彼女は日の光を放つ...
フィラは呼吸を整えながら、今度は西に設置されている水のスタンプを目指す。事前に用意していた地図で位置を確認しながら進むと、前方に何かで反射している光が無数に散らばっていた。 おそらく目的地だろうと思ったフィラは、広げ...
試験は集合場所から見て東西南北にある会場で受け、合格すればスタンプが押される形式になっている。場所により課題は異なるが、中級試験の場合は、風、水、土、火の属性と頭を使ってクリアするものになっているのだ。 方角別に東に...
そう広くないある広場で、ひとりの少女が小さな平筆を持ち、仁王立ちしている。次の瞬間目を開いた女の子は、力強く{炎|ほのお}の絵を描いて叫ぶ。 「フレイムッ」 うまいらくがきと言葉で発せられた炎は、茶色い前髪の前を熱...