●阿翁(あおう)
義理の父は本当に頑固よね。人の話を聞かないというか何というか。
職人だから仕方がないのかも。廃れつつある技術を継承している方だし。
でも、悪い人じゃないのよ。一週間前かな、差し入れにいったときおっしゃってたわ。
息子は元気か、って。無口だけどあなたのことをちゃんと想っているのよ。
●あおうなばら
目の前に広がるこの海を見てごらん。人間がいかにちっぽけかがわかるだろう。
そう、本当に些細なものなのだよ。内に視線をむけているからわからないだけで。
顔をあげてごらん。視界いっぱいに広がるこの雄大さを感じてごらん。
ほぐれたようだね。では、本題に入ろうか。どういう風に終わらせるか、を。
●あおうみがめ
くそー、あの人間たちめ。ボクたちの肉はそんなにおいしいのかい。
陸上だと甲羅が重いから逃げるのが難しいんだよね。海の中は何とか大丈夫だけど。
仲間から聞いたところでは、ボクらが陸に上がっているときはとっちゃいけないんだってね。
さてはあいつら、イケナイ集団だね。気をつけないと。
●あおうめ
今年も豊作だな、こりゃおいしい酒がたくさん作れるんだろうなぁ。
まったく、とらせるだけとらせておいて飲ませてくれねーんだもんな。ひでぇ。
もう十五なんだぞ、そろそろいいお年頃だってのにガキ扱いしやがって。
はいはい、今行くよ。ったくもう、人使い荒すぎなんだってば、母ちゃんは。
●あおがえる
ひと言で表しても、総称とくくられるときもある。青蛙もそのひとつだ。
緑色を帯びた蛙を呼ぶ名前なんだよ。もちろん、トノサマガエルのような名前もある。
ちょっとややこしいかな。大丈夫、そのうち覚えていくから心配ないよ。
ほら、これがここに載っている蛙でこっちがこれ。覚えられそうだろ。
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