Twitter小説 その411

●故(ふる、ゆえ)
この時代に生まれたのだから覚悟はしている。どこに嫁げばよいのだ。
わかった。あのうつけは個人的に好かぬ所だが、家のため。嫁ぐとしよう。
これで後ろ盾も得られる。お主は城主としてしっかりやるのだ。よいな。
ふふ、それでよい。少し前まで鼻たれ小僧と思っていたが、すっかり大人になったな。

●故(ふる、ゆえ)
忘れもせんわ。その顔、その瞳、あの男の息子だろう。よく似ておるわ。
して、父はどうした。そうか、奴は逝ったのか。さぞ無念であっただろう。
念のために聞くが、わしのところに来たのは何故だ。とっくに引退しているぞ。
ふ、懐かしい紙きれだ。よし、案内してやる。覚悟があるならついて来い。

●故(ふる、ゆえ)
発端はあの事件からだな。考えてみれば報いを受けて当然なのだが。うむ。
さすがにやりすぎだろう。いくら何でも原形をとどめないほど八つ裂きにとは。
なるで獣が食い荒らしたかのような惨状だぞ。待てよ、獣、か。まさか。
やはりな。いや、前言撤回しよう。この有様は自業自得だ。こうしよう。

●故(ふる、ゆえ)
ほう、まさかそんな理由でこのようなことをしたのではあるまいな。そうか。
おのれ貴様、恥を知るといい。恩をあだで返すような真似、断じて許さん。
まったく、飼い犬に手をかまれるとはこのことだな。平民風情が。
ん、今度は何だ。私が何をしたと。お、王子を手にかけるなどするはずがないだろう。

●故(ふる、ゆえ)
本当、あんたは変わったよね。昔は近づくだけでも恐ろしかったのに。
ああ、子供の頃の話だって。そりゃあね、いたいけな少年には怖すぎるだろ。
仕方がないじゃないか。どんなに柔らかく接したって長身で剣を持ってればさ。
今は感謝してるんだよ。拾ってくれたから、今まで生きて来れたんだから。

 

その410へ  Twitter小説TOPへ  その412へ

全体一覧へ

公開時点での最新作はコチラ
※上記の最新作を当HPで掲載するのは、約半年後になります※

スポンサーリンク

<メルマガ>
人を動かす文章術(現在停止中)
文章について、日頃考えていることを発信しています

最新作速達便
新作品をいち早くお届けします。

<Facebookページ>
個人ページ お気軽に申請してください♪

電子書籍とPodcastのすゝめ

望月 葵の総合情報発信現場

<Podcast>
ライトノベル作家・望月 葵が伝える、人をひきつけ動かす文章の力
東京異界録(ライトノベル系物語)

<電子書籍>
各作品についてはこちら

コメントする

Please Login to Comment.

*

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

error: Content is protected !!