●あいのこぶね
へぇぇ、こりゃ懐かしい。今は使われなくなった間の子船じゃねぇか。
何でこんなところにあるんだ、人間たちしか使ってなかったはずだが。
ああ、そういうことか。お前ら、よくも人の仕事を増やしてくれたな。
オレ様の手をわずらわせんじゃねぇ。数百年にわたる引導を渡してやるからよ。
●あいのて
ほうほう、女子供が曲に合わせて拍手をしておる。中々楽しそうな声だ。
本来は大人しく見るものなのだが、私がある男に話し掛け、変えさせたのだ。
何分、堅苦しいのは面倒と感じる性分でな。たまには、民衆向けもよかろう。
こういうのも好みだ。あ奴に進言させ、民の間で広めてみるとするか。
●愛馬
この馬との付きあいも長い。どこでもついてきてくれる相棒なのだ。
出会ったのは仔馬のとき。気性が荒いから処分されそうになっていたっけ。
私にはなぜか気を許したらしく、店主も驚いていた。私も懐かしく感じたし。
今ならわかる。天駆ける翼をもつのはこの世界でただ一頭だけだから。
●あいば
ある現場で事故が起きた。積まれていた石が落下しある人間が犠牲になったのだ。
原因は合端の隙間に爆発物があり、その人物が通過する直前に引火したらしい。
下敷きなったのは、視察にきた国王とのこと。しかし、愚かだ。
身代わりを使い反逆者をいぶりだす策だと気付かなかったとはな。
●アイバソウ
湿地などに見られる多年草のひとつ、アイバソウ。放棄された田に見られる。
数本単位で生えているが、ここだけはこの草に埋め尽くされているいた。
何の目的で埋めたのかは不明。茎には赤く染まった布がまかれている。
よく見ると透きとおった何かがやってきた。手にはロウソクらしき光があった。
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