●いきはじ(生き恥)
おのれ、よくも邪魔をしてくれたな。地位も名誉も失った騎士など、ゴミ同然。
何、父上は汚名を着せられたというのか。それで一家断絶に追いやられたなんて。
あの男、父上からあれだけ目にかけてもらっておいて、よくもそんなことを。
この剣を貴公に預けよう。必ずや一族の無念を晴らしてくれる。
●いきもの(生き物、生物)
生命あるものすべて、か。それは故意に生み出されたものもいえるのだろうか。
望んで生まれたわけじゃない、この体。普通の人間がうらやましい。なのに。
どうして自ら放棄してしまうの。だったら私にその体を使わせてほしいのに。
カプセルから出れない不完全な私は、いつか処分されるのだろう。
●生き薬師(いきやくし)
それほどの腕なら、王の元で働けばいいのに。どうしてこんな辺境の地にいるんだ。
なるほど、権力者の争い、ね。確かに金が絡むとロクなことがないよな。
まあ、こうしてしがらみから開放されたとはいえ、先立つものも必要だろ。
悪いようにしないさ。あんたしか治せなさそうな患者を探してくるよ。
●依拠(いきょ)
わたしは、あの子が幸せになってくれればいいの。もう母として会えなくても。
あなたと一緒になったことを後悔なんてしてないわ。すごく幸せだもの。
だから、ずっと一緒にいてね。たとえ人でなくなったとしても、構わないわ。
だってわたしが人間になったら、あなたが独りぼっちになっちゃうもの。
●移居(いきょ)
拠点をずらすしかないな。仮住まいとはいえ気に入っていたんだが。仕方がない。
この場にいては危険だ。近くに洞窟があるから、ひとまずそこに避難しよう。
さて、これからどうするかだな。奴らもそこまで来ているようだし、ふむ。
もちろん、こんなことは想定内だよ。さ、もうひとふん張りだから。
その201へ Twitter小説TOPへ その203へ
全体一覧へ
スポンサーリンク
<メルマガ>
・人を動かす文章術
文章について、日頃考えていることを発信しています
・最新作速達便
新作品をいち早くお届けします。
<Facebookページ>
個人ページ お気軽に申請してください♪
<Podcast>
ライトノベル作家・望月 葵が伝える、人をひきつけ動かす文章の力
東京異界録(ライトノベル系物語)
<電子書籍>
各作品についてはこちら