●唖唖(ああ)
鳥がいる。ああ、となく鳥だ。大きさは手のひらに乗るぐらいで、血に染まったような色をしている。
昼寝をしていた僕は、この鳥につつかれ起こされた。すると、ああ、と発し、僕の周りを飛ぶ。
気がつけば光に包まれ、足元には豪華な宮殿がある。
「早く仕事して下さいよ」鳥は幼馴染の文官だったようだ。
●アーク
それは偶然だった。たまたま雨が降っていたからなのだろう。
もっとも得意の炎が使えず、もっぱら打撃で戦っていたときのこと。
近くに落ちた雷が、なぜかこちらに伝ってきて、アークを引き起こしたのだ。
天を味方につけた若者は、とある子供にひとつのペンダントを渡したという。
●アーク灯
見上げるとアーク灯があった。特段珍しくもないが、私にとっては大切なもの。
それは淡いオレンジ色に光っており、私を安心させるのに十分だった。
私は杖をかかげ稲妻を呼ぶと、アーク灯に雷が落ち、光が青色に変化。
「ママ、おかえりっ」愛娘が遠慮なく体当たりしてきたのは、光が変わった直後だった。
●アークライト
ある灯台にちょっとした騒ぎが起きた。アークライトに異常が発生したのだ。
1日に何度もついたり消えたりするので調べたが、どこも壊れてはいない。
船乗りたちが困り果てていたとき、旅の吟遊詩人がこの問題を解決した。
事故で恋人を亡くした女性が、飛び降りた灯台に姿を見せ、待っていたのだという。
●アークランプ
大柄な男が十数人入れる程のアークランプの中に、不規則に動く光の帯がある。
これは人の魂に帯電し動き回っており、帯魂(おびだま)ともいわれた。
彼らは罪人や捕虜で、電気を流しざんげや告発などのために死んだ者たちである。
成仏したい魂は、電気を光の道標と間違え、身にまとったのかもしれない。
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