Twitter小説 その89

●悪用
これでよし、準備は整った。もちろん足はつかないようにしているさ。
ぬかりはないって。この資料さえあれば奴をゆすって金を出させることぐらいできる。
一時的にでも味方になればいいさ。何としても引き離さなければ。
もともと表面上の付き合いしかしてないからな。コロっと落ちるさ。

●あぐら
ほら見ろ、完全に抜かれたな。忠告を聞かなかったからそうなるんだぞ。
入口なんて始まりにすぎないだろ。出口までの到達の速さは人それぞれなんだ。
距離は一緒でも走れば早く着くだろ、そういうこと。まだ間に合うさ。
お前は天才肌だと思う。今からまじめにやってけば、また上に立てるって。

●悪辣(あくらつ)
あの女イイ趣味してるぜ。見ろよ、このカプセルの中。イカれてるな。
逆らった者は容赦なしに実験体ですかい。タチが悪すぎだな、ここの王も。
これでわかっただろ。善人はこの大陸じゃあ生きていけねえ。
だからあいつは命を懸けてまで民を逃がしたんだ。んま、あんたにいう必要もないだろうがな。

●握力
赤ん坊が物を持つ力は意外に強い。母親が手を離そうとしても離れないのだ。
本能なのか、学習しようとしているのかはわからない。
独りでは生きられないからか。泣くのも、愛らしい目もそのように進化したのだろうか。
どうにしても人間の中で一番生きようとする時期はこのときなのかもしれない。

●握力計
あ、壊れちゃったよ。まあしょうがない。
「しょうがないって、あんた学校の備品壊してどーすんのよ」
そんなこと言ったって~。握ったら壊れちゃったんだもん、仕方ないでしょ~。
「先生に怒られるわよ」
大丈夫でしょー、ワザとじゃないし。中にいた人外も潰しちゃったけど。
「ウソでしょっ」

 

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