Twitter小説 その75

●あきぐち
秋っていつ始まったんだかわかんないよね。気にしないとすぐ終わっちゃうもん。
何だか恋と同じように思わない。失礼ね、気持ち悪いなんて。
詩人でもないわよ。なんとなくそう、思っただけ。本当に。あいつみたいに。
ほら、雪みたいでもあるじゃん。あったのにすぐ溶けて消えちゃうなんて、さ。

●あきぐも
雲にまぎれて煙を上げる。これ合図だ、覚えとけよ。そう、のろしだよ。
まあ、何かが上がってるってのはバレバレなんだけどな。合図とまではいかなくても。
ただ、よく見ておけよ。雲と煙がくっついた瞬間に飛びだすんだからな。
奴だからできることだ。だから、タイミングは間違いないはずだぞ。

●あきご
秋の初めと終わりに、蚕の糸はよく採れる。春も同様だ。
見た目はムシ嫌いなら悲鳴をあげて逃げるだろうが、好きにはたまらないだろう。
人間の世話をなくしては生きられない不思議な生き物でもあり、桑の葉を食べる。
お蚕様は今日も元気に糸を吐き、羽化をするときを待ち、人も同様に待っている。

●あきさめ
季節の雨か。そういやあ最近涼しくなってきたし。故郷でも降っているだろうな。
故郷といっても戦火の中で育ったからお前が感じているのとは違うだろうが。
この剣は身を守り生きるためだけに振るってきた。だがそれも終わる。
初めて自分以外のために使いたいと思った。それがお前なんだよ。

●あきす
小鳥が口を大きく開けている姿が愛らしかったのだがな。巣立ったようだ。
月日が経つのも早いものだ。お前がこの世界に来てから数年か。調子はどうだ。
あまり無理せぬようにな。その身に何かあったら一大事だから。国も私にとっても。
私は良い。気にせず今は自分の身体を案ずるのだよ。

 

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