Twitter小説 その31

●愛染ぐま
紅と墨をもちいた化粧をする隈取り。これは愛染ぐまと呼ばれている。
ある人間が考案した、愛染明王のように赤く彩るもので役柄を強調するらしい。
まあ、小さな島国で考えられた絵の技法でもあるようだが、関係はない。
ようするに私に捧げる踊りを彩り、楽しませてくれれば良いのだ。

●哀訴
連れて行かれる、泣き叫ぶ子供たち。抵抗した母親はスピアで串刺しだ。
「皇子、出てはなりません。今は耐え忍ぶのです」と側近の腕が振るえる。
僕にもっと力があれば、同じ年頃の彼を守ることができるのに。
私は皆の魂を継ぎ、この剣で平和な世界を導こう。友よ、見ていてくれ。

●愛想
「マスター、お愛想よろしく」
と、カウンターに銅貨と一枚の紙が置かれる。
傭兵だろうか、いかつい無精ひげと不敵な笑みがよく似合う二人組だった。
合言葉を放ったお客様には得意先に案内するように言われているマスター。
言葉どおりの表情で、
「門弟に剣はどこだ、と聞いて下さいよ」
と伝えた。

●哀調
一瞬の出来事だった。何が起きたのかすら、誰にもわからなかったのだ。
空に現れた黒い空間から放たれた緑色の光をあびた者は、体が小さくなっていた。
そしてゆっくり年齢が逆行していき、ある日突然消えてしまうのだ。
原因不明の現象に恐怖した民は、英雄の血をひく王族に再来を求めてやまない。

●愛寵
大切にしていると見返りがある、というのは本当のことだと確信している。
見返りそのものを期待しているわけではなく、愛馬がかわいくて仕方がなかったのだ。
ある戦場ではぐれてしまい、今生の別れになってしまったと思われた馬。
私の恩人を乗せて助けにきたときのことを、一生忘れることはない。

 

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