Twitter小説 その29

●哀惜

僕は守れなかった。大切な妻と子供たちを。今も悪夢に悩まされる。
哀惜に暮れることなど簡単だ。自分を責めればいい、独りで泣けばいい。
だが、それでは何も変わらない。僕たちのような犠牲者が増えるだけ。
たとえこの身がどうなろうと、復讐と平和を両立するのがこれからの使命なのだから。

●愛惜

惜しい。実に惜しい。あれさえ通っていれば今頃思いのままだったのに。
これを愛惜というのだろう。全力で組み立てたのにも関わらずパアだ。
だが悪運の強さは生まれつきのようだ。良かったのか悪かったのか複雑だ。
あのままだったら詐欺師にだまされ、会社を乗っ取られて全てを失っていただろう。

●相先

ここからが勝負のとき。どのような手を使えば打ち負かせるのかね。
序盤からお互い一歩も譲らない。さて、女神はどちらに微笑むのだろう。
相先がルールのこの試合は、頭を使うからボケ防止にも最適だ。ああ、そうそう。
盤上に踊る人間たちには関係ないが、うまい酒でも飲みながらプレイしようか。

●間銭

ここは間銭通りと呼ばれる、とても有名なところだ。何でかって。
それは手数料をとられるからさ。金品、宝石、ときには女のときもある。
ほら、言ったそばからきやがった。
「ダンナ、お待ちしてやしたぜ」
弱冠17歳のオレに手土産だ。さて、酒を片手に仕入れたネタでも話してやるか。

●アイゼン

雪国ではアイゼンがないと、歩きにくい以前にとくに冬は危険なことになる。
ツルツルなので、怪我どころか打ち所が悪ければ最悪な事態になるのだ。
だが、逆転の発想をしてみた。
「イ、イヌが靴をはいてすべってるよっ」
つまるところ、こういうことだワン。ポコちゃんにも教えてあげようっと。

●愛銭家

愛銭家にとって命の次に大切なものといったら、これ以外にない。
骨董を集める同志ならわかってくれるのだがね。いやまいった、ふう。
いやいや、周りの戯れ言など無視してしてしまえばいいのだが。ああまただ。
かわいい古銭たちか勝手に仲間を集めてくるから、女房が怒り狂っているのだよ。

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