Twitter小説 その164

●泡立草軍配(あわだちそうぐんばい)
何このムシだらけの部屋は。そうか、私に喧嘩売ってるわけね。
上等だ、ここいらにいるのを殺虫剤で、って何。そうじゃないって。じゃあ何なわけ。
カモフラージュってどういうことよ。隠し通路がこの部屋の奥にあるんだ。
へえ、この泡みたいに見えるムシが明かりの代わり。ふうん、面白いね。

●あわだま(粟玉)
ほら、インコにあげるエサのことよ。ヒナにはね、こう食べさせるの。
大人と違ってふやかしてあげないといけないの。お腹が痛くなっちゃうから。
このスプーンを持ってあげてみて。大丈夫、お母さんがついてるからね。
こうして僕たちは友達になった。そして今も、ずっと友達だよね。空にいっても。

●あわび(鮑、鰒、蚫、石決明)
ほら、とりたて新鮮の海産物だ。今切ってだしてやるよ。貸してみな。
焼いて食うのも最高だがな、まずは素材の良さを存分に味わってくれ。
どうしたんだ。う、うわ、何でこんなに晴れてんのに大波が発生するんだよっ。
っててて。おい、生きてるか。ここはどこだ、こんな白い砂浜は初めてだが。

●あわふきむし(泡吹虫)
何かこの虫の、背中っていえばいいのかな。羽の部分っていえばいいのかな。
まあいいや、ここなんだけど。何だか無愛想なヒゲのじいさんに見えななくない。
あるいは怒る直前の顔とか。でもこれ、模様だよね。何のためにあるんだろ。
虫って飽きないよね。こういう風に遊び心で見ればいいのに。

●あわゆき(淡雪)
まるで天候にあざ笑われているかのようだ。お前のしていることは無駄だ、と。
こんな運命、認めてたまるか。なぜ父と母と妹が死なねばならないんだ。
跡取りというだけで、私だけが生き残ってしまった。確かに血筋は大事だが。
この雪のように、私の憎しみも溶けてくれないだろうか。彼女のように。

 

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