Twitter小説 その11

●あいかた

旅は道連れというが、たしかに相方がいたほうがそれはそれは楽チンだ。
モンスターをぶちのめすにしろ食事や火の番しろ、役割分担ができるからな。
「シクルス様、押しつけるのやめてもらえませんかね」
とブルーゼン。
ったく細けぇこといいやがって。おれは戦いと食う専門だっつーのによ。

●あいがみ

昔、写経などに使われた藍紙(あいがみ)は、過去を記している書物だ。
手書きで書かれたそれは、当時の想いを掘り起こすのにもってこいである。
人は過去を見ることができないが、我々なら作者の考えを見ることができる。
人間は愚かで美しい。同じことも繰り返すが、新しいものつくるからだ。

●あいかわ

藍革(あいかわ)に包まれた本がある。藍一色でデキる人を演出中。
年頃がもつには珍しいらしく、友達が本を開いて大騒ぎになってしまった。
「ちょっと何で魔物が出てくんのっ」
「それ、モンスター召喚図鑑だもん」
やっぱり決められた色じゃないと危ないみたい。いつもバックにしまっておこう。

●哀歓

歓喜に満ちている国がある。諸悪の根源である大臣を打ち滅ぼしたからだ。
政治が失墜する原因をつくり、民の生活が苦しくなり、国王も殺された。
そんなとき王の双子の弟である青年は、自ら剣をとり大臣に戦いを挑む。
国を解放することはできたが、彼の心は哀歓(あいかん)に満ち複雑であった。

●哀願

「頼む、命だけは助けてくれっ」
と、哀願(あいがん)する太り気味の男。
私は容赦なく斬り捨てると、身につけていた宝石が散乱する。任務完了だ。
依頼どおりに男に連なる人間を同じ場所に送ってやると、武器をしまった。
顔が動かないまま流れる涙は、私が何かを哀願している象徴なのだろうか。

 

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