Twitter小説 その10

●哀婉

弔われている本人の肉親だろうか。哀婉(あいえん)な女性がいた。
顔は黒いヴェールで覆われていてよく見えないが、手足がとても華奢だ。
葬儀が終わり夜が明けると、その女性は1枚の書き置きを残したという。
羽と髪の毛一緒にあった手紙は、仇を討ちに旅にでる、と書いてあった。

●愛煙家

愛煙家が集うこのコーナーは楽園といってもいい。気を使わず吸うことができる。
各駅にも設置されているここは、狭まった肩身をのばしてくれるし。
また、ここに毎朝くる理由がもうひとつある。今も缶コーヒーも持って見ている。
目の前に広がる大自然がちっぽけな悩みをかき消してくれるからだ。

●あいおい

物心つく前から一緒に育ったのなら、それは自分の半身以外何でもない。
そんな大切な相生(あいおい)の親友を身代わりにするなどできなかった。
共に笑い共に泣き、共に生きてきた彼を救うためなら、立場も捨てよう。
月だけは私の決意を支持してくれ、私は夜道の道しるべに身を差しだした。

●あいおもいぐさ

あいおもいぐさ。漢字で書くと相思草である。何ていい名前だ。
想いを伝えるのにもってこいの花だろう。早速買って帰ろう。
家につき世間話をしながら相思草をだすと、怪光線が飛んできそうになる。
「煙草を持ってくるなんてイイ度胸じゃないの」
うう、どうやら僕の想いは届かなかったようだ。

●哀音

哀音(あいおん)が鳴り響くたびに訪れる静寂。音にならない泣き声もあった。
時間とともに音がなくなっていったが、数時間後に大きな爆発が起こった。
現場に行ってみると家が木っ端みじんになっており、目の前に人がいた。
憎しみが宿った瞳は人々を立ち止まらせ、青年はどこかへ立ち去った。

 

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